ACRYLIC GUIDE

アクリル加工に向くレーザー加工機の選び方

アクリルは「何Wか」より、透明度とレーザー波長の相性が先です。特に透明アクリルを切りたい場合は、方式選びを間違えないことが重要です。

最終更新 2026.09.25メーカー公式情報を確認用途から逆算して選ぶ
30秒で結論

透明アクリルの切断が主目的なら、CO₂から比較

一般的な青色Diodeは透明アクリルに吸収されにくいため、透明材の切断を日常的に行うならCO₂を第一候補にします。黒・濃色の不透明アクリルはDiodeでも候補になります。透明材へのDiode彫刻は遮光層を使う方法がありますが、量産性まで考えると方式から選ぶ方が分かりやすいです。

このガイドは機種名ありきではなく、用途・素材・設置条件から選ぶための一般的な判断基準です。実際の対応素材、加工厚み、保護具、排気条件は機種・素材・設定で変わるため、必ずメーカー公式マニュアルと素材のSDS等を確認してください。

最初に「透明か、不透明か」を分ける

アクリル選びで最初に見るべきなのは厚みより透明度と色です。青色Diodeレーザーは可視光に近い波長を使うため、透明アクリルでは光が通りやすく、エネルギーを十分に吸収できません。一方、CO₂レーザーの10.6μm帯はアクリルに吸収されやすく、透明アクリルの加工で一般的に使われます。

CLEAR

透明アクリルを切りたい

CO₂を第一候補に。青色Diodeの出力を上げる前に方式を見直します。

OPAQUE

黒・濃色の不透明材

Diodeでも候補になります。色と配合で吸収が変わるため素材表を確認。

ENGRAVE

透明材へ彫刻だけ

Diodeで遮光層を使う方法もありますが、作業工程と仕上がりの再現性を考えます。

アクリルとレーザー方式の相性

加工したいこと青色DiodeCO₂IR / Fiber / UV
透明アクリルの切断原則不向き。波長を吸収しにくい有力候補透明材まで含めて加工範囲が広い方式・機種により用途が異なる。切断目的とは限らない
黒・濃色不透明アクリル機種・色・厚み次第で彫刻/切断候補彫刻/切断の候補IRは黒色不透明材への彫刻例あり
透明材への表面彫刻遮光層など下処理が必要になる場合候補UV等、機種適合により候補
量産・厚物対応色なら可能だが速度とパス数を確認切断用途で比較しやすい機種の主用途を確認
「アクリル対応」の表記だけでは足りません

透明・白・青・ミラーなど、色や表面状態で青色Diodeとの相性が変わります。商品ページで「Acrylic」とだけ書かれている場合も、どの色・厚み・加工方法を指しているかまで確認してください。

CastとExtrudedの違い

アクリル板には大きくCast(キャスト)とExtruded(押出)があります。メーカー公式ガイドでは、Castは彫刻で白くコントラストの出やすい仕上がりが得やすく、Extrudedは切断用途で使われることがあると案内されています。一方で、近年の公式材料ではCastを切断にも推奨する例があり、最終的には材料銘柄と機種の組み合わせでテストするのが確実です。

販売するなら「アクリル」というカテゴリではなく材料銘柄まで固定

同じ3mm黒アクリルでもメーカー、色剤、表面、保護フィルムで設定が変わります。量産では材料を固定してテストマトリクスを保存すると再現性を上げやすくなります。

厚みは「一発で切れるか」より仕上がりで見る

必要な出力は厚みだけで決まりません。焦点、速度、パス数、Air Assist、材料の平坦性、レンズの状態などが切断結果に影響します。高出力で無理に一度に切るより、メーカー推奨設定や端材テストから始め、溶け・再融着・焦げ・炎が出ていないか確認します。

よく使う厚み(2mm / 3mm / 5mmなど)
透明・半透明・不透明の別
Cast / Extrudedの別
切断面を見せる商品か
1枚ずつか、複数個を面付けするか
保護フィルムの扱いを素材メーカーで確認

切断品質に効く周辺要素

AIR

Air Assist

煙や粉じんを加工点から逃がし、切断安定性や汚れの低減に役立ちます。

BED

ハニカム / スラット

材料の裏面に熱や煙がたまりにくい構成を作り、切断時の裏面汚れを抑えやすくします。

EXHAUST

排気

アクリル加工は臭いも出ます。屋外排気またはメーカー指定の集塵・浄化構成を確認。

アクリル加工で多い選定ミス

透明材を使うのにDiodeのW数だけ上げる

問題が出力ではなく波長相性なら、方式選びを変えない限り解決しにくいです。

「黒アクリルで切れた」を全色へ当てはめる

同じ機種でも色が変わると吸収率が変わり、結果は別物になります。

端材テストなしで本番材を面付けする

ロット差や保護膜の違いで失敗すると、材料ロスが一気に増えます。

切断面の品質を見ずに速度だけ追う

販売品では溶け、煤、再融着、エッジの見た目まで商品品質です。

よくある質問

透明アクリルはDiodeレーザーで切れますか?
一般的な青色Diodeは透明アクリルに吸収されにくいため、直接切断には向きません。透明アクリルの切断を主目的にするならCO₂を優先して検討するのが分かりやすいです。
透明アクリルにDiodeで彫刻はできますか?
メーカー公式でも遮光層を塗るなどの方法が紹介されています。ただし工程が増えるため、透明アクリルを日常的に加工するなら方式選びから見直した方が効率的です。
黒いアクリルならDiodeで加工できますか?
黒など不透明で青色光を吸収しやすいアクリルはDiodeの候補になります。ただし色・配合・厚み・機種で結果が変わるため、対応表と端材テストが必要です。
CastとExtrudedはどちらがいい?
彫刻品質を重視するならCastが選ばれやすく、Extrudedも切断用途で使われます。メーカーや材料ロットで特性が異なるため、販売用なら材料銘柄まで固定してテストするのがおすすめです。

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情報の確認元

本文はメーカー公式の安全ガイド、素材設定、加工ガイド等を優先して整理しています。個別の数値設定は素材ロットや機種・ファームウェアでも変わるため、本文では固定値を断定せず、選定の考え方を中心にしています。

最終確認:2026年9月25日。価格・仕様・対応素材・安全条件は変更されるため、購入・加工前に各メーカーの最新情報を確認してください。